無縁墓の意味を解説
墓地に出向いた際、「無縁仏墓」を目にしたことがある人は多いですよね。死後に供養してくれる縁者がいなくなった死者、その魂や、それらを祀った仏像等を、まとめて「無縁仏」と言うことがあります。
通常、我々は死ぬと、親類や縁者によって弔われ、それぞれの墓に納められますが、代を重ねるごとに供養者がいなくなってしまう可能性はゼロではありません。供養する縁者がいなくなった埋葬者は無縁仏化し、その数は年々増加しているそうです。都市部の大きな霊園では、その約10パーセントが無縁仏であるとも言われており、無縁墓地でまとめて供養されているものもあれば、供養塔をたてているところもありますが、一方で、そこまで手が回らず、朽ちていく状態になってしまっている無縁仏墓も多いです。墓守が徹底して管理している墓地だけではありませんし、そもそも墓守が常駐していない共同墓地の場合では、遺族が管理しない限り、枯れた花や供物がそのままになってしまっているところも多いのが現状です。行き届いた広大な霊園であれば話は別ですが、掃除ひとつとっても、年間通してなかなかの手間がかかるものであることを考えれば、ある種仕方のないことかもしりませんね。
「永代供養」を申し込んでおくと、何らかの場合で供養する縁者がいなくなってしまっても、墓地のあるお寺、神社、教会の管理者が、きちんと埋葬者を供養してくれるシステムがあります。これらは「無縁仏」とは違っているため、近い将来にその可能性がある場合は、「永代供養費を支払い、このシステムを申し込んでおくのが良いでしょう。
ただし、「永代供養も永遠ではない」のが現状です。お寺や神社、教会が潰れてしまう可能性もありますし、基本的に30回忌、50回忌などの区切れ目をつけるところもあります。